神々のつぶやき No.66 いずれも先達から聞き及んだ話だが…

うさぎ丸が聞いた見たいずれも先達からのお話!お話!

<瞑想(信仰)とは心の整と続ける信仰> その①

ある男がいる。
この男は少なくとも十年は私の許に通ってきているが、彼は瞑想を始めて数ヶ月・・・いや長くて半年も経つと、それはそれはいい気分になってくる。
ただ単純に素晴らしくってたまらなくなる。そして瞑想をつづけている間に私のところへ来てこう言う。
「まったくもってステキなんです。毎日がルンルン!ワクワク!もう他に何もいりません。私はかつてないほど素晴らしく幸福です。」
オーオー!それはよかった!しかしそのうちある日突然瞑想をやめてしまう。

そして数ヶ月ほど姿を消して私のことなどすっかり忘れる。だがまたみじめになり悲しくなり深い苦しみに落ちて私のところへやってくる。
私はまた瞑想を始めるがいいと言うのだが、またこうも訊いてみる。
「どうしてやめてしまったのかね?あんなに素晴らしい気分でいたじゃないか。すごいと言ってたじゃないか・・」
すると彼は言うのだ。
「自分がとっても素晴らしくステキな気分でいると私のなかの何かがきまってこう囁くんです。もう瞑想なんかする必要はないじゃないかってね。それで私はやめてしまうんです。
ですが、そのうちまた谷底の暗闇に落ちて不幸におそわれるもので、またあなたのところへ来るというわけなんです。」

そこで、今度来たとき私は言ってみた。
「こんなことがいったい今までに何回起こっているとおもう?君は経験から何も学ぶことができないのかね?こんなことはこの十年、少なくとも十回は起こってるじゃないか」
すると彼は言ったものだ。「今度こそきっと続けてみせます!!」

しかし私はそんなことができるはずがないことを知っている。
この男は今までにも何回となく同じような約束をしてきた。彼の約束はあてにできるものではない。もう十回も同じ約束をして、それを破ってきているのだ。が、彼自身は自分が何をしているのかまったく自覚していない。
ひとつの爆発に近づいていくその瞬間、彼の頭(マインド)は一歩退いてこう言い出す。
「なんの必要がある?今こんなにも幸福じゃないか。何もかもうまくいっているというのに。瞑想の必要なんかない。病気が治れば薬を飲むのはやめるものだ。だから瞑想なんかやめるんだ。」
同じ事をくり返しくり返し・・・そしてそのくり返しを通じて何らかの理解に至るということがない!

ある国の五人の兄弟の話だが、彼らが自分たちの王国から追放され追われる者として森をさまよっていたときのことだ。
ある日のこと。兄弟たちは喉が渇いてきたのでそのうちの一人、末の弟が水を探しに出かけていく。彼は美しい湖に行きあたるが、水入れに水を汲もうと湖に足を入れるやいなや、ある声が聞こえてくる。
眼に見えぬところから聞こえる声はこう言う。
「待て!私の質問に答えられなかったらこの湖の水を汲むことはならない。私の出す三つの質問に答えることが唯一の条件だ。もし答えることができなかったら、そなたは今ここで直ちに倒れ死ぬ。」
さてその最初の質問だ。
「人間に関してもっとも重要なことは何か?」
「人間に関してもっとも重要なことだって?」その若い末弟には答えることができなかった。そしてそのまま倒れると死んでしまった。
兄たちもやってきたが同じような結果に終わってしまった。

そして最後に一番上の兄が水を求め、また弟たちを探して湖畔にやってくる。弟たちの身の上にいったい何が起こったのだろうと彼はいぶかった。
四人ともそろって岸辺に倒れているではないか。

つづく。

我が輩はウサギ丸!

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