式年遷宮のお祭りは、必要な木材(御用材)に関連する「御神木のお祭り」、新しい御敷地に社殿を造営する「社殿建築のお祭り」、大御神を新殿にお遷しするための「神遷しのお祭り」の大きく3つに分けられます。
今回、伊勢において6月9日、10日に行われた行事は「御神木のお祭り」の「御樋代木奉曳式」(みひしろぎほうえいしき)です。
長野県(木曽)と岐阜県(裏木曽)で伐採されたご神木のヒノキ(御樋代のための御用材)は、各地で奉祝を受けながら桑名の地で合流し、その後、伊勢まで運ばれます。この一連の行事は「御神木奉搬」と呼ばれます。
そして、御杣山(みそまやま)で伐採された御樋代のための御用材を内宮・外宮の両宮域内の五丈殿(ごじょうでん)前に曳き入れる儀式を「御樋代木奉曳式」と言います。
内宮へは川曳きで、外宮へは陸曳きで、内宮と外宮の域内の五丈殿前に曳き入れられました。
「エンヤー、エンヤー」と独特の掛け声とともに、木遣りの声が響く伊勢市街の沿道は大いに賑わいました。このご神木は伊勢神宮のご神体を納める器の用材で『御樋代木』と呼ばれます。奉搬ルートとなる岐阜、愛知、三重の沿道の各地では出迎えのお祭りが繰り広げられ、5月の山口祭、御杣始祭(みそまはじめさい)に始まった御樋代木奉曳の行事が終了。そしてこれから令和15年までの8年間、遷宮へ向けてのさまざまな祭典、行事が行われます。
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6月9日(月) 川曳き
6月10日(火) 陸曳き