コラム2025.7 皇⼤神宮(内宮)での祈り

前回、豊受⼤神宮(外宮)での祈りをテーマにコラムを書きましたので、今回は皇⼤神宮(内宮)での祈りについて考えてみたいと思います。
伊勢神宮内宮はご存じのとおり、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀っている神社で、天照大御神は⽇本神話における太陽神であり、⽇本の皇室とも深い繋がりがあります。
そのため内宮で祈りを捧げることは、単なる願掛けではなく、神聖な儀式を通じて以下のような感謝・⾃⼰浄化・敬意・祈願を⾏うことになります。

◎ 神様への感謝
内宮で祈ることの最も⼤きな意味は、天照大御神への感謝であると言えるでしょう。
伊勢神宮は、⽇本⼈にとって “心のふるさと”や“神様の住まわれる場所”とされ、古来より多くの⼈々が訪れて神様への感謝を捧げてきました。
祈りを通じて、⽇々の⽣活の中での恵みや無事を感謝し、神様にその恩恵を報告したいものです。

◎ ⾃⼰の清め
祈りを捧げることは、参拝者自身の心身を清めることでもあります。
神社に参拝する前に、⼿⽔舎(ちょうずや)で⼿と⼝を清めるように、内宮での祈りは単なるお願いごとをするのではなく、⾃分⾃⾝の内⾯を浄化し、神様に近づくことを⽬指します。
⼼を清らかにし⽇々の喧騒や欲望から解放されることで、神様との繋がりを深めたいものです。

◎ 願いごとの祈願
内宮における祈りの中には、個々の願いを込めることもあります。
商売繁盛・家内安全・健康・家族の幸せなど、参拝者が抱える個⼈的な願いを天照大御神に託すという意味があります。
しかし、この場合でも“私の願いをかなえてください”という直接的なお願いではなく、神様への敬意を込めて祈るようにしましょう。

◎ 伝統と歴史の尊重
伊勢神宮の始まりは、約 2,000 年前にさかのぼります。
天照大御神の鎮座地を探して各地を巡っていた倭姫命が、天照⼤御神のお告げにより五⼗鈴川のほとりに内宮を建てたのが起源といわれています。
このように古代から続く⽇本の神道の中⼼的な場所であり、内宮での祈りはその伝統と歴史を尊重する⾏為でもあります。
伊勢神宮に参拝することで、⾃分⾃⾝の⽂化的・精神的な原点に触れ、先⼈たちが⼤切にしてきた信仰の中に⾝を置くことができます。

◎ 平和と調和への祈り
内宮で祈りを捧げる際には、個⼈の願いだけでなく、社会全体の平和や調和を祈ることも⼤切な意味を持ちます。
⽇本の伝統的な神道の教えにおいては、⾃然との調和、⼈々との調和が⾮常に重要とされ、内宮での祈りを通じて、そういった普遍的なテーマへの意識を深めることができます。
特に今⽇のウクライナやガザでの戦争、ミャンマーやシリアの内戦など、⽬を覆いたくなる様な紛争のニュースを⽬にします。
また地球温暖化による海⾯⽔位の上昇、洪⽔や⼲ばつなどの⾃然災害、⽣態系への影響、農作物の収穫量など、⾃然との不調和による影響も深刻な問題です。
解決策が⾒いだせない問題・課題だからこそ、いま⾃分たちにできること“平和と調和への祈り”から始めたいと思います。

⾠彦

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